ANTIQUE ERTÉ 1920

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パリの諏訪秀三郎

2024年11月

本稿は「没後120年 エミール・ガレ:憧憬のパリ」展(富山市ガラス美術館 2024年11月2日~2025年1月26日、サントリー美術館 2025年2月15日~4月13日)の図録に筆者が寄稿した論考「パリの委託販売店 - デグペルス父子」の註釈として書き留めたもので、紙幅の都合により割愛した記述の全文である。

諏訪秀三郎(1855-1933)は、1900年のパリ万博で恐らく日本人として初めてガレの作品を購入した実業家浜口吉右衛門(1862-1913)がパリ滞在中に投宿したオテル・フォルテュニーHôtel Fortuny (マラコフ通り57番57 avenue Malakoff)を経営していた人物である。諏訪と浜口は和歌山県出身の同郷人であった。諏訪については国内の文献にその人物伝がすでに多く紹介されているが、渡仏後の足取りは詳しく知られていない。帝国陸軍を辞め、ベルギー女性と結婚して1880年に渡仏後、クリシー大通り6番6, Boulevard de Clichyにある5部屋ほどのアパルトマンを買い取ってホテルを始めたという記述が国内の諸文献(鹿島茂『パリの日本人』新潮選書、2009年、他)にある。以下は当時フランスの新聞紙上に掲載された諏訪に関する情報を時系列でまとめたものである。

パリの諏訪秀三郎(PDF)

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