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お知らせ
松濤美術館『没後120年 エミール・ガレ展』図録
― 黒いガラスの生成に関する同展監修者の誤謬について
2024年6月
松濤美術館で展覧会「没後120年 エミール・ガレ展 奇想のガラス作家」が2024年4月6日(土)から2024年6月9日(日)まで開催されている。(10月12日~12月15日、徳島県立近代美術館に巡回。) 出展作品は本邦未公開の個人所蔵家のコレクションが中心で、国内外の美術館が収蔵する一級品にも比肩する逸品が数多く含まれており、これらを入手した美術商とコレクターの慧眼には瞠目するばかりだ。
ただ残念なのは、この展覧会の図録『没後120年 エミール・ガレ展』に同展の監修者が牽強付会な解説文を寄せていることである。
周知のように、同監修者はガレの黒いガラスが高島北海の墨絵の影響により生まれたと主張し続けている。(仔細は本稿末尾記載。) 筆者(山根)は過去の逐次刊行誌や展覧会図録のなかで、この高島影響説が誤りであることを数々の反証をもとに指摘しており、2024年1月に上梓した拙著『エミール・ガレ 史料で紐解く、人と作品』(河出書房新社刊)のなかでも、さらに多くの一次資料を交えて詳しく論じている。
松濤美術館『没後120年 エミール・ガレ展』図録
― 黒いガラスの生成に関する同展監修者の誤謬について(PDF)
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